2TBの雑文置き場

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一人暮らしにおける、食器洗い機のすすめ

時間と手間を金で解決する技術

現代の一般家庭における、面倒な家事に常時安定してランクインしているのが「食器洗い」。たかが食器洗いに何を?という人もいるだろうが、個人的には「食事を終えて気分いいところで一仕事しなければならない」のが一番の面倒ポイントなのだと思っている。いかに要領よく行動できる人でも、食事を終える前に食器を洗い、片付けることは理論上不可能である。しかし、飯を食ったあとくらいのんびり過ごしたい。

人類は、古来より"道具"を進化させて成長してきた。上記における、現時点での最適解は、一般には近代において生み出された道具たる「食器洗い乾燥機の導入」である。皿をセットし、洗剤を入れ、電源を入れて放っておけば全ては終わる。しかし、これの導入にはいささか高いハードルがある。特に、今回は一人暮らしの人間を想定しているのでかなり切実な可能性が高い。

我らを阻むもの

  • 高価い
  • でかい
  • 要工事

「高価い」「でかい」は、人によって状況が異なるが、要は本体費用と設置に必要なスペースの問題となる。特にスペースについては各々自分の自宅環境をよく見ていただくしかない。場合によっては、「台所に置く」という常識を捨てるのもありだ1

一番の問題は「要工事」な点である。必要となるのは分岐水栓の取り付けだ。ここから水を取り本体に給水するわけだが、これがまあめちゃくちゃ種類がある。しかもこれ自体もかなり高価いし、取り付けも容易ではない2。加えて、住処が賃貸であれば退出時にそれを外してもとに戻さなくてはならない3上、外した分岐水栓は殆どの場合次の家では使えない。

ところが、つい最近これらを解決する食洗機が登場した。要はそれを買った自慢の記事なのだが、自分の副業のトレーニングも兼ねて紹介してみようと思う。(※当方家電屋です)

大きすぎず、高すぎず、工事のいらない食洗機を買った

この食洗機が一人暮らしの人間に対して最も強く刺さる点、それは「工事がいらない」ことである。とは言っても水無しで洗えるわけではなく、本体内部に水を入れるタンクを内蔵しており、あらかじめそこに付属の水差しなどを使用して水を入れておくのだ(必要量約5L)。工事がいらず、水道との接続も必要ないので、初期費用を抑えられ、また設置場所をかなり自由にできる利点も出てくる。排水のことは考えておく必要があるものの、究極にはバケツを用意してそこに排出させる手段すらある(説明書にも載っている)。

大きさに関しては、各自確認して欲しい。特に、食洗機は「基本的に大きいほうが有能」「ただし大きいと置く場所に困る」という矛盾を抱えており、その最適解は各々で異なるからだ。実は、タンク内蔵式の食洗機が市場に登場するのはこれが初めてではないのだが、先に登場したものは私の所持する食器の組み合わせに適した大きさではなかったため導入を見送ったという経緯がある。

かつて、食洗機のほぼ唯一の選択肢だったパナソニックのうち、プチ食洗と比べた場合、すべての機種で幅はシロカが、奥行きはパナソニックが小さい。シロカの奥行きが大きいのは、おそらくタンクがあるせいだろう。入るお皿の大きさや数は大差ないらしい。

値段は、執筆時点では市場価格おおよそ54000円前後、かつ10%程度のポイントが付くところが多いようだ。

洗浄力十分、乾燥は今ひとつだが気にならず 騒音に注意

まず、単純にこの食洗機の感想などを。

家電販売を業としていながら、これまで自分自身では試したことがなかった食洗機ではあるが、その洗浄力を目の当たりにすると、わりとこれまで手洗いしてたのがアホらしくなるくらいの能力はあると感じられる。買ったその日にわざと油ギトギトのままの皿を放り込んで洗ってみたり、焦げたチーズがこびりついたグラタン皿をそのまま洗ったりしたが、特別な工夫なくきれいにできた4。なお、(どの会社の食洗機もそうであろうが)大きな欠片の残る物体(例えば魚の骨とか)や、洗浄中にくっついて残ってしまう可能性のある小さい粒(例えばゴマとか)は除去しておくよう注意書きがある。ゴマはともかく、骨などは取り除いておくべきだ。あとで残滓フィルターの掃除が面倒になる。

なお、今回の機種は温風による皿の乾燥機能を持たない。洋服と違い、皿は送風でも十分に乾燥させられるから、という考え方だと思われ、事実概ね問題ない。だが、通常の運転では乾燥終了後も庫内に多くの水滴が残るし、そのまま放っておくと内側が結露したりする。今回の機種は「ドライキープ」という機能があり、乾燥終了後も送風を続けてこれらを緩和する事ができるのだが、これは毎回自分でオンにする必要がある。せめて常時オンにできるようになっていたらもう少し良かったと思える。とはいえ、些細なことではある。

他方、食器を洗うときに発生する「音」がかなり大きいことは知っておく必要がある。安物の洗濯機のようなイメージの音がするので、人によっては気になるだろう。

洗剤について

必ず専用の洗剤を使用しなければならない。これは、この食洗機専用という意味ではなく、市販の「食洗機用洗剤」というものが存在するのでそれを使えという意味である。実は食洗機用洗剤は泡立たないようになっている。普通の台所用洗剤は泡立ってしまい、内部から泡や水があふれる原因となり、最悪の場合故障の原因ともなる。

粉末とか液体とか個包装のとかあるが好きなのを使えばいいと思う。粉のものが安く、かつ適正量を守っている限りは溶け残るようなこともなかった。

【まとめ】「洗わなくていい」、そして「選ばなくていい」

私の想定していた食洗機の利点は、「手間を減らせること」である。それは、当然に叶えられた。食後の平和とだらけるための時間が、今ここに守られたのである。

そして、そこから派生した、想定していなかったもう一つの利点が、「食事の際に皿を使う種類や枚数を自重しなくて良くなる」点である。これまでは手洗いの手間を減らすためになんでも大皿にまとめて乗っけたり、使う皿を極力減らしたりしていたが、どうせ何枚洗おうと(食洗機に入る限り)使う水の量も洗剤の量も電気代も時間も全く変わらないのだから、使いたいだけ皿を並べていいのだ。小鉢いっぱい並べた夕飯を作っても、もう面倒くさくないし、そうなることを嫌って献立を選ぶ必要も、もう無いのだ。

好きに生きられるって素敵!

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  1. 実は、洗濯機置場が食器洗い乾燥機を置く場所として案外相性が良い。水回り付近かつ電源があるためだ。ただし、安全上の問題により洗濯機用の水栓は食器洗い乾燥機では使えない可能性があることは覚えておく必要がある。

  2. 電気工事のような法的に何らかの資格が必要な作業ではなく、手先の器用さに自信があればどうということはない作業ではある。しかし、「誰でもできる」などとは無責任に発言できない。

  3. 大家さんとの契約によると思うので大家さんに聞いてください。

  4. ただし、グラタンの焦げ付き・こびりつきなどは「洗えない」と各社明示しているので期待しないように。